自然素材の糸について
作品ごとに絹糸・麻糸・蝋引き糸(化繊)の中から、イメージに沿った糸を選び制作しています。

自然素材となる絹糸や麻糸には繊細さと、そこに宿る精神性や深みとしなやかさ。
蝋引き糸には自由な表現力と力強さがあります。

それぞれの個性が、作品にも大きな影響を与えます。



絹糸の種類
糸の色[草木染め]のこと
自然素材の作品制作

自然素材の取扱いとお手入れ


使用している素材や制作等につきましては、ホームページも併せてご覧ください。

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絹糸の種類
絹糸は質感と趣きの異なる、ムガ蚕糸・エリ蚕糸・柞蚕糸の3種類から選び使用しています。


■ムガ蚕糸/Muga silk


インド・アッサムのみに生息するヤママユガ科の野蚕(※)、ムガ繭から挽かれる絹糸。

自然そのままで輝く金色はいつまでも色褪せることがありません。
古代から王衣や芸術品に用いられ、「ゴールデンシルク」「シルクの宝石」とも呼ばれています。

1年通して繭を採取できる期間は他の絹より短くとても希少。
他のシルクに比べ汗など水分を吸いにくく、
ハリのある質感、シルクの中でも特に軽く強いという特性を持っています。


■エリ蚕糸/Eri silk


ムガシルクと同様ヤママユガ科の野蚕。
中国や東南アジアなどでも見られ、まほらではインド・アッサムのエリシルクを使用しています。
糸挽きできず長い繊維が採れないため、紡ぎ糸や真綿として使用される絹糸。
ふわふわと柔らかく温かみがあります。
白のほか、ごく一部の地域ではグレーやレンガ色目を持つ希少な繭が採取されます。


■柞蚕糸/Tussar silk


原種はインド・ヒマラヤ地方、ヤママユガ科のタサール蚕(野蚕)。
まほらではその中で中国由来のヤママユガの亜種から採られる、
柞蚕糸と呼ばれるタッサーシルクを使用しています。
美しい光沢を備えており、家蚕糸と比べるとハリとシャリ感の強い糸です。


※野蚕と家蚕とは※

<野蚕>
自然界で野山の植物を食べて生息している蚕。
人が育生している樹木など、自然界とほぼ同じ環境に宿った蚕の繭も含め
ワイルドシルクとも呼ばれます。

<家蚕>
屋内で桑の葉を餌に家畜飼育されている蚕。
1つの繭からより細く長くなめらかな糸を採れるよう、品種改良がなされて生みだされた蚕種です。



草木染めのこと
柞蚕糸と麻糸の色は、茜、槐、ログウッドなどの染料のほか
藍、蓬、葛や栗、セイタカアワダチソウ、クサギなどの身近な草木からいただき、
山から自宅に流れる湧き水を使って染めています。

発色鮮やかな色の糸でも、石の存在感を消さずに引き立ててくれるのは
生きた色を映した草木染めの色ならでは。
同じく自然の産物である、鉱物との調和を感じられます。





自然素材の作品制作について
マクラメでは、何本もの糸を途中で足したり引いたりしながら編んで模様をつくっていきます。

ポリエステル製の蝋引き糸の場合、火や熱で溶かし固定することができますが
絹糸や麻糸などの自然素材の糸は、裁縫のように裏側に糸を縫い付ける、
他の装飾部分に編み込ませるなど、糸がほつれないよう1本ずつ丁寧におさめていきます。

糸の端の広がりを抑えたり、表に出ないよう接着剤を使用することがありますが
針で編みの内側に入れ、できるだけ直接肌に触れないよう仕上げています。